書を捨てよ、「MOUTAKUSANDA!!!magajine」持って町を旅しよう!

6月19日に開催された今回の旅大学は、フリーランスライター・編集者の山若マサヤさんをゲストにお迎えしました。

山若さんが編集長を務める「MOUTAKUSANDA!!!magajine」は「(必ずしも)旅に出ない」ことをうたった、反骨精神溢れる旅雑誌です。

他に類を見ない独自のアイディアが生まれていく過程や、メインテーマである「日常を旅する感覚」について、お話を伺いました。

 

初めての方へ:そもそも、旅大学とは?

旅大学は、「旅を学ぶ、旅から学ぶ」をコンセプトに、広い世界と新しい自分の発見が出来る授業に参加できる新しい形の学び場です。学びのスタイルは様々、教室の場所も様々。講義形式の授業やワークショップ、コミュニケーションのある交流会など、いろんな形式でゲスト講師と一緒に学ぶことができるのが特徴です。

そして、新しい学びの場である「旅大学」は旅を愛するたくさんの皆さんと一緒に作っていきたいと思っています。新しい時代が始まる時はいつだって新しい形の学び舎が創られています。そんな学びの場所を、そんな新しいコミュニティを、旅好きなみなさんと一緒に作れたら最高です。

年間80回近く行われているので、是非沢山参加して下さい!皆さんにとって新しいコミュニティとなれば嬉しいです。1回1回の講座を大切に、参加者のみなさんで密にコミュニケーションを取っていければと思います!

 

今回のゲストは・・・

1985年生まれ。石川県小松市出身。神戸大学工学部卒業。大学卒業後に出版社に就職。雑誌編集部で経験を積み、2012年に独立しフリーランスに。
フリーの編集者/ライターとして依頼を受け、本や雑誌の制作をする傍ら、個人活動で「MOUTAKUSANDA!!! magazine」を作っています。

自由でインディペンデントな雑誌をゼロから作るという、雑誌編集者を目指した頃からの目標を形にしているところです。

クラウドファンディングでも291%達成と話題に!

 

■今回の旅大学の概要と魅力

・トークを聞きながら、参加者も一緒に考えるスタイル
今回は、トーク&参加者で考えていくスタイルで進めて行きたいと思います。参加者の皆さんも積極的に考えて講師の山若さんと一緒に進めて行きます。

・ゆったりとした雰囲気で進行します
 
ゲストも参加者も気軽に飲み物を飲みながら進行をしようと思います。お酒も是非飲みながら、気楽な雰囲気でやりましょう!

 

トークテーマ

・モウタクサンダ!!! マガジンを作ろうと思ったキッカケと内容について 

magazine ISSUE0は「生活を旅する」でした。ISSUE0の話やISSUE1からの話についても深掘って聞いて行きます。そして、雑誌を作る際に拘っている事についても聞いて行きます。

・今までどんな旅をしてきたのか?
 

山若さんは、今までどのような場所を旅して来たのでしょうか?そしてその旅先で感じた事、学んだ事について深掘って行きます。

・旅の定義について

雑誌では、旅せずに旅をしている様な感覚で過ごす人を心理的旅行者と定義されておりますが、この旅の定義について、色々と聞いて行きます。

・僕らは「どのような」旅が出来のか?

さて、僕らは日常の中でどのような旅が出来るのでしょうか?日常をクリエイティブに楽しく過ごす方法について探って行きます。

 

講義内容レポート

「モウタクサンダ」のタイトルに込められた思いは?

独特の空気をとい、如才ない人柄で会場の視線を集める山若さん。

「MOUTAKUSANDA!!!magajine」は先日第2となるissue1が発売されたばかり。この雑誌のタイトルである「モウタクサンダ」には、2つの意味を持たせていると山若さんは言います。

1つ目に「日常がつまらないと言い訳にするのはもうたくさんだ」という意味。受動的より能動的にする旅が面白い。日常も同様に面白い方向へ、自ら行動していくことが大事だと山若さんは言います。

また「面白いことをやりましょう!」という声はよく掛けられるものの、実現がされず、考えてみれば自分も行動をしていなかったことへ皮肉も込めたそうです。

2つ目に「Too much is beautiful(過剰であることは美しい)」ということ。「過剰」は「自分の傍若無人な側面」を代弁した言葉だと言います。旅先で発揮される人の目を気にしない感覚を、日常に取り入れてもいいのではないかという思いが込められています。

時代の流れに捕らわれないその内容から、過去にはある男性からツイッターで「オルタナティブ・ツーリズム誌」と評価されたことも。

発信者は旅行代理店に勤務、仕事で定番の旅行先を周ることが多い方だったそうです。

山若さんは旅行では目的地に行くことだけではなく、途中の民家の壁の色模様、人々の音調に意識を集中させること楽しさを見出すと言います。

それは旅に限られたことではなく、たちの目線を少し変えれば、日常にも旅と同じ感覚を取り入れられる

何でもないと思っている状態から「何かを得ようとする」姿勢へシフトする。いつもの道をゆっくり歩き、ニヤニヤ・キョロキョロと傍若無人に好き勝手に振舞う。

自分の心を開放し、自分自身を楽しませる。欲求を充足することで、他者へも肯定感を覚える。旅で味わえる感覚を日常において発生させることが、私たちの毎日をより刺激的にし、遠くへ行かずとも「心理的旅行者」になることを可能にする山若さんは話します。

 

マガジンで24時間を旅する

マガジンは一度開くと、その内容に惹きつけられ、サクサクとページが進められます。「日常を旅として楽しむためのアイディア」が24時間に沿って紹介されています。今回はその一部を山若さんに紹介していただきました。

11:00  朝寝坊をしろ

「朝早起きをしなきゃいけない」「タスクをこなさなきゃいけない」という固定概念から一度離れて時計から脱却してみる。そのことで時間が歪む感覚を味わえるのではないかといいます。

13:00  鼻歌を味方につける

人目を気にしないで、自分を楽しませる。雑誌の中ではこのために作られたという、タイトル「MOUTAKUSANDA!!!」にかけた「Moutaku sunday」の楽譜も載っています。

14:00  3軍駅で降りてみる

マイナーな駅で降りてみること。今回はJR尾久駅で降りたそうです。「少し失礼な言い方なんですけど、愛情を持って」と山若さん。ローカルな人との触れ合いが楽しかったり、カメラ1つを持っていけば、普段目的地へ向かう視点のベクトルが、さまざまな方向へ広がると言います。

15:00  移動時間をエキサイティングに

日本体育大学相撲部の方に協力をしてもらい撮影したという、なかなか衝撃的な企画。みなさん練習は裸足だけど、この日はとてもいいスニーカーを履いていたとか。

実家への旅

帰省も旅する。協力者である写真家の方の実家島根県木村へ行ったそうです地元でおばあちゃんたちがこぞって被っている帽子に「ローカルトレンド」を発見思わず笑ってしまうような小話も盛り込まれています。

20:00  夜の街

夜の街のハッとするような色彩を放つ植物にも目を向けると、そこはまるで植物園のよう。ちなみにこちらは中野駅にあった花だそうです。なんともサイケデリックな花が近くにあり、驚いたと言います。

雑誌の編集方針において、山若さんは「疑問が出れば出るほどいい」と言います。「少し調べればすぐに答えが分かってしまうことが日常に溢れているからこそ、何だか分からないひっかかりを見つけてほしい」と話してくれました

第1号のテーマが「視点を変える」、先日発行された第2号は「旅での時間」について。タイトルは「1.3時間のタイム・トラベル」です。

現在の西洋式の24時制は明治初期に導入されたそうですが、時間の概念を古代ギリシャでは、プロノス(機械的に流れる時間)カイロス(主観的な時間)の2種類に分けて考えていたそうです。

旅で感じる時間感覚を日常に取り入れられるような一冊になったと山若さんは語ってくれました。今回もまた疑問がたくさん生まれてくる内容になっています。

 

現在の表現へ至るまでの過程とは?

山若さんは学生時代に、休学をして、沖縄やヨーロッパやアジアをバックパックで旅をしたと言います。その後、復学をして就職活動に入ります。多くの国を渡航し、さまざまな価値観に触れた旅が「会社に就職するだけが全てじゃない」と仕事に対する考えを変えます。

大学卒業後は東京の出版社に一旦就職し、雑誌編集部で経験を積みます。入社当初こそ「少しの間、東京に居よう」と考えていたものの、気がつけば5年が経ち、日常に甘えていると感じたそうです。

そこで東京で何をしたいか改めて考え、独立の準備をし、フリーへ転身、自分のつくりたい旅雑誌を実現するための活動を始めます。

自身の旅で得た経験と、流されず日常から何かを得ようという貪欲な山若さんの姿勢が、マガジンを唯一無二の存在たらしめています。

 

ワークショップ:「旅を編集する」

「旅を別の言葉で10個以上言い換えてみてください」

ワークショップでは、山若さんが日常へ旅を取り入れるためにやっているという問題が出されました。

次にいくつか出た中で、日常に含まれないと思うものを丸で囲みます。あくまでも判断は自分の主観です。

イベント参加者がそれぞれに思う旅を発表していきました。

旅を題材に、日常と非日常を考え、両者を混ぜ合わせていく。この作業が何気なく過ごす時間を面白くしていくと山若さんは言います。

また対象を分解し言葉に置き換え、自分の興味ある方向へ持っていくことを雑誌の中では実現させているそうです。

 

第3号は「毒と楽園」について

最後に、山若さんは次号への思いを話してくれました。

第3号のタイトルは「毒と楽園」。

「毒」を辞書で調べたところ「健康や生命を害するもの」とのことで、その反対に「健全さ」があると言います。一般的な社会の「健全さ」は「毒」の裏返しで、「当たり障りのない人や物」のことではないかと山若さんは考えます。

社会一般の「健全さ」に対する「毒」であるなら、むしろその方が良い。

日常でも、せかせかとした雰囲気に一線を画するゆったりとした時間が流れる風景や、人との違いを恐れない自分の中にセオリー持つ人に感動を覚える瞬間が多くあると山若さんは言います。

そう言った社会のメインストリームに迎合しない人が住む場所こそ「楽園」なのではないか。だから「楽園」は「毒」でもある。

3冊目が今年中に刊行されるそうです。どんな内容になるか今から楽しみです。

心を旅することは、自分との対峙、私たちの深層に眠る好奇心や情熱をふたたび呼び起こす作業ではないでしょうか。

さぁ、あなたも「MOUTAKUSANDA!!!magajine」を読んで、ビール片手に普段の街を気の向くままに歩いてみませんか?今まで見たことのない、景色や自分と出会えるかもしれません。

 

今回の記事を書いたのは・・

20歳の時に東南アジアをバックパック1つで周り、旅の魅力を知りました。 大学卒業後、約4年間の旅行会社勤務を経て、現在はライターやイベント制作に挑戦しています!
http://kindkid-1026.hatenablog.com