生き方は「選択」できる。サラリーマンの僕が週末旅行で世界一周したワケ

「社会に出たらお金はあるけど、時間がないよ」「学生のうちに旅行に行った方がいいよ」と、学生時代は多くの大人にそう言われてきました。

やりたいことにお金を使えないなら、何のために働くんだろう…なんて思ったこともありましたが、自分が実際に社会で働くようになると、自宅と会社の往復、休日は昼過ぎに起きて家の用事を済ませたらすぐに夕方。その繰り返しで、趣味の旅行に当てられる時間はありませんでした。

週末だけで旅行なんて無理でしょ?そう思っていたら、少し変わったブログを見つけました。そのタイトルは「リーマントラベラー 〜働きながら世界一周〜」。

いやいや、そんな夢のような話はないでしょう。サラリーマンということは、休みは週末しかないはず。なんとこのリーマントラベラーは、「週末旅行」を繰り返して世界一周を果たしたらしいのです。

今回の講師はこちら

1987年岐阜県生まれ。神戸大学卒業後、広告代理店に勤務。平日は激務の傍ら、週末や連休を使っては海外旅行へ行き、働きながら世界中を旅行しているサラリーマンブロガー。旅行先では現地のライフスタイルを体感するのが趣味。語学力は英語が少し話せる程度(TOEIC505点)のため、海外でのコミュニケーションは専らボディランゲージ。2016年10月から12月の3ヶ月間、平日は日本でサラリーマンとして働きながら、毎週末海外旅行に行っており、年末に5大陸18カ国を旅して「働きながら世界一周」を達成。

ぐるっと周ることだけが「世界一周」ではない

普通「世界一周」と聞くと、一度に世界をぐるっと周ることを想像しますが、東松さんは「世界の様々な面を見て、それを今後の生活に生かす」ことも世界一周なのでは、と持論を展開。

海外に行って日本に戻って、それを繰り返して世界を旅することを「世界一周」として自分が広げれば、その考え方が普及するのではと考えたそうです。東松さんにとって、日本にいる時間は「乗り継ぎ時間」だとか。(会場では「長〜〜〜!」とツッコミがあがったことは言うまでもありません)

そして、普通に1年に数回海外に行っても面白くないという理由から、毎週末に海外へ。「働きながら世界一周」を実現しようと決めたと語りました。

英語は話せず、一人旅の経験もなし

英語は苦手科目で、TOEICは400点台だったいう東松さん(留学経験はなし)。今では500点台まで上がったそうですが、それでも英語が得意!というレベルではないそうです。

また学生時代はアメフトしかしていなかったため、海外旅行は友達と行った卒業旅行のみ(初のバックパッカー体験)。そして社会人になってからは仕事が多忙だったため、1年目は時間がなく…2年目に(やっと取れた)夏休みで行ったグアムのみだったといいます。(ちなみに基本◯電まで、飲み会でタクシー帰りが普通だったのだとか)

はじめての一人旅〜アメリカ・LA〜

東松さんは高校からバスケをやっていたそうで、大のバスケ好き。ある時NBAのプレーオフのチケットを偶然取ることができ、これが初めての海外一人旅になったのだとか。しかし◯畜だったためにホテル取るのを忘れ、地球の歩き方を忘れ、当時はWi-Fiもない…。英語も話せないため「アイウォントトゥーゴーホテル!」などと片言英語で、なんとか現地で自力で対処したといいます。

そこで大きな気づきが3つ。(ちなみに1つ目をど忘れしてカンニングしてました)17時を過ぎるとサーフィンをする人やジョギングする人が、ビーチに溢れている光景を目にした東松さん。日本では夜近くまで仕事をすることが当たり前だったため、「サラリーマンはどこだ!?」「世界共通じゃないのか!」と衝撃を受けたそうです。

2つ目に、日本では会社に入って言われた仕事をやるだけだったけれど、海外の様子を見て「自分は何もできないんじゃないか」「何も持っていないのではないか」と無力感を感じたのだとか。

そして3つ目に、海外旅行はすごく簡単だと気がついたそう。ホテルも取らずにガイドブックもない状態で、それでも楽しめたことから海外旅行へのハードルが下がったといいます。そこから旅にハマって、休みがあるとすぐ旅行に行くようになったそう。

生き方の可能性を感じた〜キューバ〜

社会主義国キューバで、外を歩いていた時に「うちにきなよ!」と誘われ、ご飯やお酒をご馳走になったとエピソードを披露。海外ではチップを請求されることもあるため、東松さん自身も覚悟していたそうですが、キューバ人は「じゃあね!」と一言。思わず東松さんもキューバ人のおもてなし、ホスピタリティの高さに拍子抜けしてしまったようでした。

爆音で音楽を流しているおばちゃんがダンスに誘ってきたり、真っ白のスニーカーが汚れてしまった時は、おばちゃんが出てきて洗ってくれたり。そこで靴が乾くまでお茶しようと言われたそうですが、「靴が乾くまでずっとお茶するのかなあ、と思った(笑)」と振り返りました。

そんなキューバ人の姿を見て、金銭的には日本人よりずっと大変なはずなのに「幸福度」が高くないか、と思ったそう。日本人より「精神的に富む」キューバ人の姿に驚いたと語りました。

きっかけとなった旅の後、世界一周へ

10月から始まった東松さんの世界一周。イラン(テヘラン・イスファハン)→ロシア(モスクワ)→スペイン(バルセロナ)→ドイツ(フランクフルト)→ラトビア(イェルガヴァ・リガ)→スウェーデン(ストックホルム)→フランス(パリ)→イギリス(ロンドン)→イスラエル(エルサレム)→UAE(アブダビ)→コンゴ共和国(ブラザヴィル)→エチオピア(アディスアベバ)→インド(デリー)→タイ(バンコク)→中国(西安)→オーストラリア(シドニー)→アメリカ(ニューヨーク)→ブラジル(サンパウロ・サントス・リオデジャネイロ)というルートで旅をしたそうです。

これを3ヶ月間、毎週末と考えると…東松さん、恐るべし。簡単に真似できるスケジュールではありません。(しかも海外にいても、なぜかメッセージの返信が早いんです。謎すぎる)

ちなみにこの写真は、エチオピアで知らない男に腹部をパンチされたあと、財布を狙ったと見られる子どもたちにお尻を触られ(ポケットの中は空だったそう)、陰から出てきた車に轢かれた際に「カメラだけは守ろう」と、必死に受け身をとった!という説明をする東松さんです。

「リーマントラベラー」として旅の発信を決意した理由

「リーマントラベラー」の活動を通して東松さんが伝えたいことは、「世界には色々な生き方がある」ということ。自身が実際に旅に出て、サラリーマンだけが生き方じゃないと気付いたそうです。

「生き方に選択肢がある」ということは、学校で教えてくれない。自分は旅をしてたまたま気付いたからラッキーだけれど、ほとんどの人は教わらないから知る機会がないのでは?と考えたそう。生き方の選択肢が広がる上に、旅はめちゃくちゃ楽しいのだから、「旅に出ない理由がない!」と語る東松さん。

もちろん、サラリーマンが悪いわけではありません。しかし色々な選択肢があると知った中で、生き方を決められたら良いはず。そのため「リーマントラベラー」として自分の旅を発信することを決めたといいます。

3ヶ月間の世界一周、かかったお金は?

事前に参加者の方から多かった「3ヶ月働きながら世界一周でかかった値段」。TABIPPOの恩田が「世界一周券は40万くらい。1年200万で結構いい旅ができる」と説明した上で、参加者のみなさんで金額を予想しました。

東松さんは3ヶ月の旅で、「トータル250万くらい」と回答。一番かかったのは航空券代だとし、本当はLCC使いたいけれど一番時間をうまく使える便を探すと、なかなか難しかったそうです。

そして、週末旅行で一番大切なのは「時間の使い方」。東松さんいわく「仕事が終わった瞬間から週末と思うかどうか」が大切だそうで、金曜夜の仕事終わった瞬間から旅が始まるのだといいます。そして旅行に行き、月曜の9時半までに会社に着けばOK。羽田に6時着に着く便もあるから行けるかなと思い、1回やってみたら案外できたと話しました。(良い子は真似をしないように)

週末旅行におすすめなのは「香港」

台湾と韓国は日本語でもある程度通じますが、香港は欧米人の方が多くて英語が飛び交ってるからおすすめだそう。「それだけで非日常感がありますよね」とコメント。街が小さくて基本的にコンパクトだから迷わず行けるといいます。

それでもやはり、普通に旅をしないのが東松さん流。なんと雑誌「anan」の佐々木希ちゃんの香港特集をパロディして旅をしたと語りました。ご飯も超安いものから少し高級な良いものもあり、ビーチがあってハイキングもできる。深夜便もあるから日本から週末に行きやすいと話しました。

3ヶ月間、一緒に旅をしてきた相棒。ちょっとくたっとした感じから、旅をしてきた雰囲気が出ていますね。

日本より「幸せそう」と感じた国は

少し悩んだあとに、「日本以外は幸せだと思う」と語った東松さん。基本的に日本以外の国には自分で生き方を選べるから「幸せ」なのではないか、とのこと。日本では高校を卒業したらなんとなく大学に行き、就職活動をして仕事をはじめ…ということが当たり前になっています。

しかし今までを振り返ると、「人生で一度も決断をしたことがなかった」そう。なんとなくそれが「正しい」とされた生き方をしてきていたと振り返りました。

旅のスタイル、生き方は無限大

3ヶ月間、仕事を続けながら毎週末海外へ行き「世界一周」を果たしたリーマントラベラー東松さん。金曜夜には日本を出発し、月曜の出社前に帰国という弾丸スタイルでしたが、全員が東松さんの旅を真似する必要はありません。

お話されていた通り、なんとなく決められていた高校→大学→就職、という生き方に従わなくても良いように、旅のスタイルも人それぞれ。近場の国を訪れて食や観光を楽しむのもあり、がっつり有給をとって遠出して1週間ほど過ごすのもあり。

自分らしい旅をして世界を体感し、今度の人生に反映させていく。東松さんのお話を伺って、「旅」がもたらす影響の大きさを改めて感じました。

時間がないと嘆く人は、どうすれば「時間」を有効活用できるか考えてみましょう。「仕事が終わった瞬間から週末と思うかどうか」が大切だって、◯畜寸前だった先輩がおっしゃっていましたから。

次回イベント詳細

日時    : 2017年03月18日(土) 16:00
教室    : TABIPPO代々木オフィス
定員    : 30名限定
講師    : 岡村龍弥 , 東松寛文
参加費    : 2,500円 (一般)
             : 1,000円 (学生)
イベントURL:http://tabi-daigaku.jp/lessons/328

今回のライターは

TABIPPOのメディアTABIPPO.NETの*コンテンツディレクター* 高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。